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2017年9月26日 (火)

EVシフトに想う ~前編

先日行われたフランクフルトモーターショウでは、EVブーム花盛りだったようです。

 

ドイツもフランスも将来的にEVのみ発売に切り替わり、ボルボなどは全車種EVにすると宣言しているし、欧州勢は今後のパワーユニットの進め方をEVへと、大きく移行(シフトした)ようです。背景には欧州勢と中国の環境改善速度が加速したことによると思われます。

 

ただし、内燃機関搭載のクルマが今後ゼロになるかというと、以下の2点で、私は疑問に感じます。

 

ひとつは電力供給のインフラ面です。

 

電力供給面が、本当に世界中で対応可能かどうか?だと思います。

 

地球の夜間の衛星写真を見ていただければ分かると思いますが、主要各都市の明るい部分はEV化が加速するとは思いますが、陸地の大部分である暗部は、相変わらず液化燃料に頼らざるを得ないと思うのです。

 

これは、インフラ面の整備(数・普及速度)と電力製造、安定供給の双方から言えることだと考えます。

 

例えば、欧州先進国は大丈夫でしょうし、中国も沿岸都市部はOKでしょうが、内陸部はいかがでしょうか?

 

この点では、環境負荷の高い先進国はEV、他の国はHV、さらに電力供給が不安定な国は内燃機関という棲み分けが明確になってくるのではないかと考えます?二酸化炭素排出面では火力発電は意味がないので、水力、原子力、太陽光による発電でなければなりません。水力、太陽光は気候頼みですし、原子力は、こと日本国内では安全性の問題があります。

 

相変わらず有害物質排出量No.1のC国とNo.2のA国の大国が気になります。どちらの国も大気汚染に苦しむ都市部は富裕層も多く、EV化は歓迎でしょうが、貧民層の入手コストやインフラ整備の面で、内燃機関車も併用。

 

 

もうひとつ、高性能で複雑な制御をしているリチウムイオンバッテリーのライフサイクルコストの課題です。

 

出力であるモーターは車格(パワーウェイトレシオ等)に応じて用意すれば良いと思いますが、バッテリーはその航続距離に応じて搭載量は比例します。

 

このバッテリーの製造時の環境負荷とコストの低減がどのようになっており、また、リサイクル化の研究がどこまで進んでいるのかわかりません。現状のPb蓄電池はクルマ用にもリサイクル品が出回っていますが、同じように再利用できるのか、自動車ボディ鋼板や内装樹脂のように分別して別の業界のマテリアルとなるのか、ライフサイクルとして考える必要があると思います。

 

そういった2点から、まずは大気汚染浄化マストの都市部のドライバーは比較的、所得も多いのでコスト高の時点から購入対応可能者も多いと思います。一方、遠隔地のクルマが生活必需の地域は、相変わらず内燃機関車の人気は衰えず、EVのイニシャルコストが普及価格帯に落ちてきたところで、シェアが入れ替わるのではないかと予想します。それが2030年頃に実現するとは思えないのですが。

 

後編へ続きます~

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