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2022年3月21日 (月)

500miles a day ~名車再認~ 前編

同じ出版社から同じ装丁でNSXやFD(RX-7)が発売されていた事は知ってましたが、SVXも出版されていたとは!
 
値段は少々張りましたが、手持ちの図書カードにて購入。
Svx_00①SUBARU アルシオーネSVX 自動車史料保存委員会編 三樹書房刊 2021年11月初版 
ホントはコッチを買いに行ったはずなのですがぁ。
 
本書の目次 ↓
Svx_18デザイン、空力、エンジン、パワートレイン、サスペンション、車体構造等、当時開発にかかわったデザイナーやエンジニアの方々による文章で綴られています。特にグラストゥグラスキャノピーやミッドフレームつきのサイドウィンド等の苦労した姿が、本書の記事からうかがい知れます。
 
白眉はイタルデザインからのデザイン案に、固定ヘッドランプのレンダリングスケッチがあった(C案)ことや、SUBARUの開発陣は当初から固定ヘッドランプを指定していたが、イタルデザイン側がリトラクタブルを提案してきた、ということです。固定ライトの案も存在しており、デザインソースとしていたのですね! ←子細は本書でご確認いただければ、と思います。

ライトまわりのデザイン処理のいきさつについては、発売当初のこちらの書籍②等にも載っていますが、
Svx_08ダッグテールのトランクリッドも高さでは視界確保要件とのせめぎあい、また製造手段も板金で絞れるか樹脂成型にするのか、苦労したようです。
 
サスペンション、特にH型平面でフロントをフルフローティング化したクロスメンバーはSUBARUの中では、現在に至るまでSVXだけでしょう。ロワアームもL型からA型に前後スパンが伸びて横剛性が増し、スタビライザー(ばね上のストラットに取り付けられている!)やステアリングタイロットの経路も独特で、大型化したエンジンの低重心配置に苦心の跡がうかがえます(③↓)。 また、当時流行の4WSも、高級グレードに電動タイプが採用されましたが、各社とも一過性に終始しました。

Svx_05リヤ(③↑)もデフまで抱え込んだフルフローティングのストラット形式のサブフレームは、スバルで唯一です。当時ストラットサスのレガシィ4WD系はデフの前と後を違う部材で懸架、サブフレーム採用はダブルウィッシュボーンになってから。
  
初代アルシオーネがレオーネ系のプラットフォームを共通としてボディ開発した思想と同じで、当初は初代レガシィ系プラットフォーム流用のの5ナンバー枠で計画されたが、開発当時はバブル、高級志向イケイケ?でブライトン220の4気筒ブロックをベースに1.5倍の6気筒化で3.3L、そしてヘッドをDOHCに武装し、4輪ストラットサスも新規でフルフローティングの結果、ボディは拡幅。
Svx_06通常は床まわり、高級車でもドアから下しか採用されないメッキ鋼板をTOPまで100%採用(④↑)とは、まさしくバブリィ~

発売時にはバブルもはじけ富士重工業(当時名称)も再建途中で、販売は苦戦したと聞きます。しかし、レガシィや本機を開発評価するために多大な投資を行った高速テストコース建造によって、後のWRCでの活躍や現在につながる高速走行等の知見が蓄積できたのだと考えます。

初代アルシオーネで達成したCd(空気抵抗係数)値0.29はリヤの駆動系のないフラットなFFモデル。Svx_23(TAMIYA 1/24 Assembry instructions よりスキャン ↑)
 
SVXでは同じ値を4WDで達成。まぁ、この測定方法には法規のような統一の指標もなく、測定方法もメーカー間で統一はなかったようですが。

また、競技車両(F-1等)のような400km/h近い速度域で1/100秒を競うような世界ならともかく、その半分以下の速度で横風や姿勢変化等も考慮する市販車の領域では、燃費や走行安定性への寄与度はどのくらいなのか?と言うこともあります。ちなみに4代目プリウスはCd=0.25のようです。まぁ、F-1はウィングの抵抗でダウンフォースを発生させてトラクションを稼ぐので、そこにぶつける空気をいかに整流化して稼ぐかが主流だと思いますが、現代は航空機同様にCAE解析で、机上でかなり正確にシミュレート出来るようです。
 
Svx_07 西海岸?のハーバーが似合う(③↑)

発売当時の1990年代は時々見かけましたが、今ではほとんど見かけなくなりました。
 
しかし、ある所には確実に存在し、こんな商売が成立しているとは…。エンスーもここまで来れば、立派です‼
 
 
後編に続きます~

引用および参照資料
①冒頭の記述による
②Carトップ別冊 スバルアルシオーネSVX
③北米向けSVXカタログより
④CARTOPIA 1991年11月号

 

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