2030年代のSUBARU(後編)
SUBARUも日米の工場で操業が停止となりました。日本での生産も北米や欧州への輸出比率が高いため、新型コロナによる影響は大きいと思います。OUTBACKは北米製ですが、XVやForesterは日本製だったと思うので、北米での販売不振は国内生産へも大打撃ではないでしょうか?
今回も前回から、SUBARU技術ミーティング からの続きです。
P23 スバルの死亡交通事故分析
日米ともに6割以上が自車起因で残りは他車起因比率は似ていますが、その要因は大きく異なっています。
まず、日本では歩行者、サイクリストが4割、次いで正面衝突、その次が立木、電柱等…これらはアイサイトの緊急ブレーキで減速されて人体へのダメージが軽減されます、そしてエアバッグで保護すれば、かなりの確率で死亡事故は減るのではないでしょうか?サイクリストエアバッグも開発されているとP35には示されています。他車起因では、出会いがしら衝突や右折時が多いですが、将来P26のようにアイサイトが進化してゆけば、低減できてゆくでしょう。 米国での状況は歩行車、サイクリストで1位なのは変わりませんが、次いで道路逸脱、車線逸脱が出てきます、対向車への逸脱、他車の追突が出てきます。先ほど述べたアイサイトの機能に加え、車線中央維持機能も事故の低減にはは大きく貢献するはずです。他車起因では対向車線からの衝突(ワタシも経験あり)、他車からの衝突の順ですから、相手にもアイサイトがついていたら…つまりさらに普及していたらと思わずにはいられません。
1枚目からの蛇足ですが、対向車のはみだしということでは、リンク先の衝突試験なんかが有効だと思います。日本では試験項目になさそうですが、やはりアメリカ市場特有の事故モードということなのでしょうねぇ。ワタシの場合はカーブだったのでAピラーからリヤクウォーターにかけてエグラレマシタが、直進で相手がはみ出してきらら、こっちが路側帯側に避けようとしてもこのモードでの衝突になりますよねぇ…。
P26~29のアイサイトの進化も楽しみですし、ドライバーとのコミュニケーション、Star Linkを介したサポートも大切です。 P33事故を起こすと動揺しちゃって、通報も遅れますので、このシステムの急報により助かる命もあるでしょう。ワタシの場合は衝突安全ボディのおかげで運よくケガはありませんでしたが、それでも警察への連絡(ぶつけた相手が動揺しすぎていて私が自分のケータイで110番した)や保険会社への連絡に時間がかかりました。
このような自己分析と技術実現シナリオが着実に進んでいるからこそ、2030年死亡事故ゼロを公約できるのでしょう。
今後のパワーユニットについては、ワタシが以前に述べたことは、Well-to‐Wheelとして認識されてきているようで、それを考えると、すぐにEVの時代は訪れなさそうで、スバルも2030年代にEV+ハイブリッドで電動化率40%をうたっています。と、いうことはまだ市場に出る60%は(恐らく軽も含め)ガソリン車であるということです。ガソリンエンジンもまだまだ進化すると思います。いささか乱暴ですが前・後編をまとめると、すべてのユーザーの「安心と愉しさ」のために
1)動的質感の追究 → 走って楽しく、安定走行し、危険回避時の応答にもつながる技術
2)安全性 ぶつからないクルマ、ぶつかったときのダメージを最小にとどめる技術の進化で、死亡事故ゼロ実現
3)環境対応 → ガソリン、ハイブリッド、EV、すべてのパワーユニットでWell-to-Wheelミニマムの追究
という事でしょうか。
今朝はカラリと晴れましたが、風が強いので満開の桜も散ってしまうでしょうか…週末まで持ってほしいのですが~。
2030年代は、まだワタシもドライバーですので、本資料の公約が叶ったかどうか見届けるのが楽しみです。さすがに2050年代には生きていても免許証は返納していると思いますが。
そのときにも、夜空にひときわ輝くプレアデスのように、クルマの世界でも輝き続けることを願ってやみません。
図の出展:2020 SUBARU 技術ミーティング
追伸
待望の1.8リーンターボエンジンについては、新型レヴォーグがデビューし、詳細が公開された後に想いを綴ってみようと思いますぅ~~
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